top of page

vol.5 通知のない夜に考える。(えりかさん/看護師)


えりかさんとのLINEが止まってから、一週間。

スマホの通知欄がこんなに静かなの、久しぶりだった。

別に恋愛してたわけでもないのに、空白の時間がやけに長く感じる。

「恋っていうより、習慣がなくなっただけっすね」って真柴が言った。

うるさい、と思いつつ否定できない自分がいた。


夜、コンビニの帰り道で、ふとガラスに映った自分を見た。

31歳、婚活中。髪も寝ぐせのまま、目の下にクマ。

これ、アプリのプロフィール写真と同じ人間だとバレたら即スルーだな、って苦笑した。

それでも帰って、アプリを開いて、

新しい“いいね”が来てないかを確認してしまう。

人間ってほんと、希望中毒だ。


「この前のイベント、女性の参加率6割でしたよ」

共同運営の田嶋さんが言った。

“イベント”ってのは、僕らが運営してる DeepMatching のリアルイベント。

本来、僕はスタッフ側なんだけど、

最近は半分、参加者みたいな気分で出ている。

真柴には「小村さん、それ婚活じゃなくて職権乱用です」とか言われるけど。

うるさい。


美咲からも久しぶりにLINEが来た。

「透、最近どう?ちゃんと寝てる?」

元同僚で、僕が婚活始めたきっかけの人。

なんでもない一文なのに、胸が少しだけざわついた。

返信しようとして、やめた。

既読もつけず、スマホを伏せた。

たぶん、何を返しても“昔の自分”を思い出すだけだから。


通知のない夜は、少し寂しい。

でも、静かだからこそ、自分の声がちゃんと聞こえる気がする。

「次は、ちゃんと会える人と話したいな」

そう呟いて、寝る前にアプリを開く。

えりかさんのアイコンは、もう消えてた。

でも、なんか、それで少し楽になった。 最後は宣伝をしないとなので、来週末のイベント告知をさせてください。

12/20(土)10:00-13:00に空堀商店街でおさんぽ恋活イベントを開催予定です。 私はイベントの中、参加型ゲームの企画をしています。


コメント


bottom of page